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地方中学理科教師/アクティブ・ラーニング/『学び合い』/アドラー心理学/コーチング/

『学び合い』授業を参観していただいて

 先月は自分が大阪まで馳せ参じて『学び合い』の授業参観をさせてもらったが、今回は自分の授業を日頃お世話になっている大学の先生や学生・院生の方々に参観していただいた。

 内容は3年生の小単元「生物の成長と生殖」の1時間目。次時のタマネギの細胞分裂の観察に先立って、「体細胞分裂」「染色体」などの語句を理解する部分。一斉授業であれば板書をして教師主導の説明だけで終わらせがちなところを、敢えてアクティブ・ラーニング型授業で行うという試みを見ていただくことにした。課題は以下の通り。

  1. 細胞分裂」「体細胞分裂」「染色体」「形質」「遺伝子」について自分の言葉で3人に説明して、納得してもらえたらサインをもらう。納得してもらえなかったらアドバイスをもらい、よりわかりやすい説明にする。
  2. 細胞分裂で、もとの細胞と新しくできた細胞では、核の中の染色体の数はどうなっているか。その理由とともに自分の言葉で3人に説明して、納得してもらえたらサインをもらう。納得してもらえなかったらアドバイスをもらい、よりわかりやすい説明にする。

 生徒たちは積極的に動いていたが、「細胞分裂体細胞分裂の違い」などに悪戦苦闘し、結局2、3人が最後まで課題達成できないまま終了。

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 授業後はお忙しいにも関わらず、参観していただいた先生と学生の方々と簡単に事後研究会を開催していただいた。たくさんの貴重なご意見をいただいたので、ここに記しておく。

  • 初めてこういった形式の授業を見たので、ぜひ次回は参観するポイントを絞って参観したい。
  • 「わからない」と気兼ねなく言えるクラスの雰囲気が大切だと感じた。学級経営とリンクしている部分が大きい。
  • 過去に自分自身が受験前に経験した心地よい雰囲気と似ていた。それが普段の授業でもできるということが新鮮だった。
  • 自分で言葉にしてアウトプットすることが、深い理解につながる。大人も繰り返し同じことを説明することで、その説明の内容が徐々に洗練されていく。生徒も3人に説明する中で、そういった変容を意識できればさらに力がつく。
  • 比喩を用いたり、染色体をペンに例えるなど興味深い説明をしている生徒がいた。そういった優れた説明が全体に広がっていくといい。教師が気付いて広げていければ。
  • せっかく生徒が自由に動けるのだから、生徒が自由に使えるリソースがもっと充実していた方がいい。参考書などの書籍だけでなく、PCでデジタル教科書の該当ページを前もって開いておくなど、ICT環境も充実させると生徒は気軽に使えるのではないか。
  • 発展的な課題として「テスト問題を作る」などを取り入れてみても面白い。
  • 『学び合い』は部活動指導と似ていると言われるが、部活動にはキャプテンなどの固定されたリーダー役がいる。そういったリーダー役が生まれてくるとまた違った学びになるのではないか。
  • 説明することを繰り返す中で「説明をする側」のスキルは向上していく。一方で「説明を聞く側」のスキルも向上して、わからない側の生徒がイニシアチブを握れるようになるといい。

 

 研究会でお話しさせていただく中で、学生の方々の授業を見る目がとても素晴らしいと感じた。現場の教師は専ら授業を「する」一方で、じっくり「見る」機会というのは決して多くない。しかし、逆に学生の方々は「見る」ことが多いので、授業を見る目が日々磨かれるのだろう。生徒の学びを丁寧に見取っていただけたことがとても嬉しかったし、授業者としてたくさんの気付きをいただけた。また、生徒にとっては「自分たちが頑張っている様子をわざわざ見てくださる」という感覚が程よい緊張感を生み、学びの質も向上していたように感じた。

 今後もこうしてどんどん授業を見ていただく機会を作っていこうという思いを新たにした。ありがとうございました。