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地方中学理科教師/アクティブ・ラーニング/『学び合い』/アドラー心理学/コーチング/

お客様=生徒?教師?

 修学旅行2日目の午前中に、ものづくり体験の引率をした。東京の下町で金属加工を請け負っている小さな企業を訪問させていただき、業務内容の説明や工場見学の後、実際に金属の製品づくりに取り組むという内容であった。従業員は30~40名程度の小規模な会社ながら、社長さんが強いリーダーシップを発揮されて業績を伸ばしている、業界でも注目を浴びているような会社であった(社長さんからのメッセージや会社経営の工夫が掲示物など随所に見られ、学級経営などにも参考になるかと思いながら眺めていた)。

 その業務内容の説明の中で、広報の方が話されていた表現が強く印象に残った。

 我々は自分から商品を売るのではなく、お客様から「こんな金属製品が欲しい」という注文を受けたものをつくっている。中には詳しい図面を仕上げて持ち込むお客様もいれば、漠然としたイメージだけを伝えてくるお客様もいる。1個だけの注文もあれば、大量生産の場合もある。いろんな注文が1ヶ月に何百種類、何千種類と入ってくるが、我々はお客様の期待に応えるだけの結果を出さなくてはならない。それができなければ次から注文をしてもらえなくなる。

 中学生で例えるならば、テスト範囲だけざっくりと教えてもらって、1週間後とか1ヶ月後とか後にテストするよ、と言われているような感じ。自分で期間内に必要な勉強を進めて、テストで結果を出さないといけない。

  この「テスト範囲だけ指定されて方法は自分たちで考える」という形態は、まさに普段実践している『学び合い』そのものである。結果を出すことを全員に求めて、そのための手段は各自に任せるというのは、正に大人たちがする仕事のやり方に他ならない。本やネットで調べたり、人に尋ねたり、必要があれば残業をしたっていい(残業=宿題か)。その力を身につけることこそ、子どもを大人にするということなのではないだろうか。

 ちょうどそんな中、静岡県のRX先生がブログに「授業におけるお客様は先生である」という記事をアップされていて、なるほどと膝を打った。一般的には先生=売り手で生徒=買い手というイメージだが(実際に塾はそうかも知れない)、『学び合い』的に考えれば、課題(=注文)を出す教師こそお客様(クライアント)と言える。

 なぜ『学び合い』を行うかを語る上で、力強い支援をいただいたような気がした。3年生だけでなく、どの学年にも使えるいいネタになりそうである。