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むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに

「資格」とは言うけれど

 昨年度に引き続き、3年生という卒業学年を担任しているので、いろんな高校の説明会に参加したり、逆に高校の先生に来ていただいてお話を聴く機会が多い。その中で、ある商業系の学科を有する学校の先生がおっしゃっていたお話が印象的だった。

商業系の学科がある高校の先生は、とにかく「資格」「資格」という実績を強調するけれど、それらの資格は全て今後は人工知能に取って代わられていく。だから資格ばっかり頑張っても仕方がない。 

  商業系に進学を希望する生徒の志望動機として、「資格をたくさん取得して就職に活かしたいから」というのは古来からの常套句であり、実際に過去の卒業生にはそのような指導をしてきたが、もはや旧時代的なものになりつつあるのかも知れない。さらにその高校の先生は、「ビジネスに関わる人間に必要なコミュニケーション能力の育成にも力を入れている」とおっしゃっており、商業系の学科ならではのアクティブ・ラーニングの解釈なんだろうなと考えた。

 大学入試制度改革だけでなく、日本の労働の在り方も変わっていく中で、待ったなしの改革を迫られている高校に対して、義務制の学校の方が「まだ昔のままでいられる」という慣性が強いような気がしてならない。