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むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに

理念

アクティブ・ラーニングの対義語=一斉授業?

一足早く卒業した3年生に続き、1年生も全授業が終了した。今考えているのは、アクティブ・ラーニング(『学び合い』)の対義語=一斉授業と言われるけれど、本当にその発想でいいのか?ということだ。 そもそもは、3年生のアンケートの中で行った「『学び…

自分で選んだことは、やる

1年生は小単元「光の世界」丸ごとの『学び合い』に突入。様々な実験に加えて光の反射・屈折・凸レンズの作図もマスターしなければならないので、過去最長の9時間を確保した。 この小単元の実験は、理科室のカーテンを閉めて電灯を消し、暗室にした上で行う…

残業と『学び合い』

日経ビジネスonlineに、「よのなか科」の藤原和博先生と、「教えない授業」の山本崇雄先生の対談が連載されているので、興味深く読んでいる。最新のテーマは、「学校が『残業するサラリーマン』を育てている?」というもので、旧態依然とした学校制度が、悪…

皆勤賞と『学び合い』

月130時間の残業などが原因で過労死と認定された電通の女性社員のニュースについて、ネット上でたくさんの言説が飛び交っている。 headlines.yahoo.co.jp 自分のTwitterのTLは教育関係者が多いため、「こういったブラックな働き方をしてしまうのは、皆勤…

動画に奪われる教師の役割

行事が一段落し、この1週間は職員同士の授業参観期間だった。理科はもちろん、自分の担任クラスや担当学年の授業はこれまでも日常的に参観させてもらっていたので、今日は他学年かつ他教科の授業を参観させていただいた。 中1の国語(書写)の授業だったの…

「自分の席で黙々と課題に取り組む」ことの意義と弊害

学校という場所では、プリント学習などの課題をする場合、「自分の席で黙々と課題に取り組む」ことが良しとされることが多い。特に、中学校や高校での入試対策期の学習においてはより顕著である。 「入試は独りで受けるんだから、勉強も独りで集中してすべき…

「イジメ」と「イジり」の違いは、「怒る」と「叱る」の違いと同じ

Yahoo!ニュースに以下のような記事が掲載されていた。 bylines.news.yahoo.co.jp この記事の中で、ライターのてれびのスキマさんは もちろん、僕のようなお笑い好きの人たちにとって「イジメ」と「イジり」が感覚的に違うことは知っている。 だが、それを声…

金大竜先生講演会

地元の民間団体主催の教育講演会に妻と共に参加した。講師は大阪の金大竜先生。金先生はお名前だけは知っていたが、著書は読んだことがなかったので、事前に1冊だけ読んでから当日を迎えた。 アクティブ・ラーニング時代の教師像: 「さきがけ」と「しんがり…

「親戚のおっちゃん」

先日のSORAの会で、上越教育大のゼミ生の方が西川純先生のことを「親戚のおっちゃん」と表現した、というお話をF先生がご紹介された。このフレーズはとても印象的で、その後の懇親会などでもひとしきり話題になった。 この「親戚のおっちゃん」という表現は…

密度の測定

中学校理科で初めて本格的な公式や計算問題が登場する密度。「3種類の金属を同定する」という課題を与え、練習問題を解く時間なども含めてたっぷり3時間確保した。密度の公式を理解することはもちろん、質量や体積といった概念の理解や、上皿てんびん・メ…

アクティブの意味

先日、地域の中学校理科の先生方でつくる研究団体の研究集会に参加した。ブロック内の代表校の実践発表をお聞きし、8月に行われる県全体での発表のために参加者の先生方が意見や助言を伝える、というものだ。 テーマは「モデル化」で、粒子モデルなどの構築…

お客様=生徒?教師?

修学旅行2日目の午前中に、ものづくり体験の引率をした。東京の下町で金属加工を請け負っている小さな企業を訪問させていただき、業務内容の説明や工場見学の後、実際に金属の製品づくりに取り組むという内容であった。従業員は30~40名程度の小規模な…

クラス=家族、部活動=?

学校現場ではよく、クラス=家族に例えられる。あらゆる教育活動の基本単位として、1人1人の居場所があることが必要であったり、またそれぞれに役割が与えられていたり、確かに家族という表現は言い得て妙であると感じる。 では一方で、部活動は何に例えら…

ブレないところ、ブレるところ

明日から平成28年度が始まる(Twitterやブログを眺めていると5日からスタートするという声が多いような気がする…我が地域は例外的なのか?)。今年で教職10年目になるが、何年目になってもこの時期は何とも言えない緊張感に襲われる。3月に3年間持ち…

自主性・主体性v.s.ルール・システム

1年が終わり、新年度が少しずつ始まろうとしている時期である。3年間持ち上がった子どもたちを卒業させたので、次年度はどのような立場になるにせよ、4月からは新しい環境でスタートしなければならない。 この3月下旬は、まだ4月からの身の置き場が固ま…

卒業式までの数日間

公立高校の入試と合格発表の週が終わり、残すは週明けの卒業式のみとなった。 入試が終わってからの中学校生活は、生徒にとっては「蛇足」とも感じるものらしい。確かに教科の授業は全て終わり、専ら卒業式の練習ばかりである(後は球技大会などのお楽しみイ…

理科室を「研究室」に

先日読んだ苫野一徳氏の「教育の力」の中で、ジョン・デューイがシカゴ実験室学校の実践にふさわしい机や椅子を探したが、結局自分が求めるものを何一つ手に入れることができなかった、というエピソードが載っている。その店主が言った、「ここにあるものは…

卒業の日を1ヶ月後に控えて

卒業の日まで約1ヶ月である。中学校の卒業直前のこの時期は、生徒は受験&受験勉強、教師は進路業務に追われ、息つく暇もなく過ぎていく。そんな日々に忙殺されながらも、卒業の日をどんな風に迎えるのか、そして最後の日にどんなメッセージを送るのかにつ…

『学び合い』セミナーin群馬に参加して

『学び合い』を本格的に始めた頃、群馬・高崎で『学び合い』のセミナーがあることを知った。かなり規模の大きいセミナーであるのに加えて、西川純先生も講演されるということで、思い切って参加を決意した。 無知でお恥ずかしい話なのだが、このセミナーも9…

なぜ校長先生の話はつまらないのか

記事のタイトルは、どなたか特定の校長先生について言及している訳ではない。巷間に広く存在する「あるあるネタ」の一つとして考えていただければ幸いである。 校長先生は全校生徒を前にして話をする以上、当然ながら「○年○組の○○さんだけ」を想定した話をす…

「初速」を与える

アクティブ・ラーニング型の授業をしていると、授業中に教師が積極的に主導する場面というのはほとんどなくなる。端的に言えば、直接的に教師が教えることはないということだ。 では、「教師の専門性」とは一体何なのか? 無論、教師は「教師しかできない仕…

アクティブ・ラーニングは「難しい」のか

全ての理科の授業をアクティブ・ラーニングとしての『学び合い』に変えて1週間が経った。導入期ということもあり、授業の最後に生徒の感想を書いてもらっている。その中で最もよく見られる感想は「この授業は難しい」という声である。何をもって生徒は「難…

デヴィッド・ボウイは理想の教育者である

デヴィッド・ボウイが亡くなった。私は高校時代にボウイの音楽に触れて以来、大学生から社会人にかけて全てのアルバムを収集・愛聴してきたファンの端くれである。特に名盤と名高い「Ziggy Stardust」や「Low」「Heroes」などは何回聴いたかわからない。大学…

教師の仕事は、教師の仕事をなくすこと

昨年放送されたNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の中で、元ラグビー日本代表HCのエディー・ジョーンズ氏が語った言葉が忘れられない。 私の仕事は、私の仕事をなくすこと。 突き詰めれば、我々の仕事もこれに尽きる。 学級担任の仕事は、学級担任の仕事…