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むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに

密度の測定

 中学校理科で初めて本格的な公式や計算問題が登場する密度。「3種類の金属を同定する」という課題を与え、練習問題を解く時間なども含めてたっぷり3時間確保した。密度の公式を理解することはもちろん、質量や体積といった概念の理解や、上皿てんびん・メスシリンダーの使い方の習得など、学習しなければならない内容は多岐に渡る。

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 同僚の先生方とアクティブ・ラーニングについて話していると、「基礎・基本をしっかり押さえてからでないとアクティブ・ラーニングは難しい」という話題になることがある。例えば、理科や社会などは教科書の隅に小さく載っているような細かい記述などもテストや入試で問われることが多い。そのため、そういった問題への対応は生徒主体の活動では難しく、教師側がきちんと教える必要があるのではないかという考え方だ。今回の授業で言うと、「上皿てんびんの分銅はその物体よりも少し重いと考えられるものから置いていく」「メスシリンダーは目盛りの10分の1まで読む」といった、実験器具の細かい操作方法などがそれに当たる。確かにこれまでの一斉授業では、それらの注意点は実験を行う前に教師側から説明を行っていた。

 

 その(中学校特有の?)問題点をクリアするためには、やはり「課題と評価の一致」を徹底させることが重要であると考える。

 例えば、金属の密度を正確に求めるためには、その金属の質量と体積を正確に測定することが不可欠であるため、メスシリンダーの目盛りを10分の1まで読まないと密度の値に大きな誤差が生じてしまう。したがって、実験器具の正しい使い方を理解しないとクリアできない課題になっているのだ。重箱の隅をつつくような細かい内容であったとしても、それは学習を進めていく上で学ぶ必然性があるはずなので(たまにそうじゃない場合もあるが)、課題に盛り込むことは十分に可能であろう。

 さらに、課題の中にその内容を盛り込めない場合は、小テストや定期テストで問うことで評価の対象とするという手段もある。「そういうところまで問いますよ」というメッセージを送り続けることによって生徒の能動的な学びを促すことができれば、アクティブ・ラーニングの要件を満たしていると言えるのではないか。