微生物による有機物の分解
中学校理科の最後の最後に登場する実験。サブ的な扱いの実験で、かつ毎年年度末の入試前後の時期に当たるのであまりきちんとやってこなかった実験なのだが、課題が早く終わった班の数名の生徒が自主的に取り組んだ。
校舎裏の土を適当に採取して、教科書の指示通り布で濾した後、デンプン溶液を入れた。
指導書には「20~30℃で2~3日」とあったが、特に温度管理などせずにストーブの近くに5日間ほど置いてみたところ、ヨウ素液による色の変化がはっきりと出た。
冬場だし、あまりいい結果が出ないんじゃないかと勝手な先入観を抱いていたが、こんなに簡単にできるとは思わなかった。今年度はこうして生徒が自主的な実験に取り組むので、いろいろと新しい発見がある。これまで「この実験はやろう」「この実験は止めとこう」と教師側の都合で選別していたが、それは生徒にとっての学びのチャンスを摘み取っていたのだと思い知った。
最後に教科書通りに煮沸殺菌をしたところ、モヤモヤとした土の成分の動きによって対流の様子がわかるという思わぬ副次的効果まであった。