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むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに

部活動発のアクティブ・ラーニング

 先日、地元の体育館でインドア大会が行われた。

 ソフトテニス競技の場合、大会や練習試合などでは、選手は試合が終わると顧問の先生のところに行ってアドバイスをもらうというのが慣例になっている。しかし、それがややもすると形式的なものになってしまいがちであったり、ましてや自分のような専門家でない顧問からのアドバイスには限界がある。

 そこで、今回の大会は「お互いがコーチになってチームメイトにアドバイスをする」という活動を取り入れてみた。

 テニスの試合は基本的に個人戦なので比較的待ち時間が長く(早く負けてしまうとなおさら)、ただ「応援しなさい」といってもダレてしまうことが多い。そこで、コーチの立場で試合を見ることで、チームメイトに対してアドバイスできるだけでなく、「自分だったらどうするか」という視点で試合から学べるようにしたいと考えた。また、私自身も大会役員を兼ねることが多く、大会運営業務などでじっくり観戦したりアドバイスをしたりする時間が取れない場合も多いので、顧問の仕事をフォローしてもらうという意味合いもある。

 また、自分がプレーするときはどうしても1つ1つのポイントに一喜一憂してしまい、プレーそのものの善し悪しについてなかなか客観的に評価するのは難しい。他人の試合を通じて「自分だったらこうするな」とか、人から教わるのではなく自分で考えることができるプレーヤーにならなければならない。特に、初心者ばかりの今のチームが、小学校からの経験者の多い他校のチームといい勝負をしようと思ったら、「自分で考える」力は不可欠だ。

 

 部活動で日常的によく見られるこういった活動や考え方は、正にアクティブ・ラーニングそのものであると言える。『学び合い』はよく部活動に例えられるが、日々の部活動の実践から、授業でのアクティブ・ラーニングのヒントが得られるのではないだろうか。

 もちろん、「授業と部活動は本質的に違う」という考え方もあろう。しかし、多くの部活動は「全国大会優勝」「県大会ベスト4」「全員1回戦突破」などの目標設定をするが、これらの勝負事に関する目標は「相対評価」であり、「ゼロサムゲーム」である。いくら自分たちが頑張っても、周りとの競争によって目標達成できない場合もある。

 しかし、授業における「教科書○○ページの問題を全員解けるようになろう」などといった目標は「絶対評価」であり、「プラスサムゲーム」である。自分たちの頑張りだけで目標達成が可能になるという意味で、むしろ授業の方が部活動よりもアクティブ・ラーニング向きとも言えるのではないだろうか(ただ私の勤務地のような地方では、中学卒業時に”高校入試”というゼロサムゲームが待ち構えているので、中学校のアクティブ・ラーニングはその入試とどう折り合いをつけていくかが重要になってくると考えている)。

 

 授業のアクティブ・ラーニング化と並行して、部活動のアクティブ・ラーニング化も推進していく1年にしていきたい。