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むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに

「振り返りジャーナル」授業編

 クラスで行っている「振り返りジャーナル」の他に、今年度は毎時間の授業でも「振り返りジャーナル」を導入している。
 『学び合い』実践者の方々の多くが、授業の最後に振り返りを書かせているということを本などで知り、振り返りを書かせること自体は昨年度当初も行っていた。しかし、だんだんと毎時間回収して目を通すことが負担になったり、生徒の学びの質を高めるという目的に対して効果を感じなくなったりして、年度途中で形骸化してしまった。その反省を踏まえ、あくまでも「振り返りジャーナル」の考え方を授業でも取り入れることを意識してスタートしている。
 
 まず、授業のラスト5分を「振り返り」の時間として確保し、ルーティーン化することを心掛けている。昨年度は何だかんだと理由をつけて書く時間をきちんと確保できていなかった。書き終わったら班ごとにクリアファイルに入れて提出→次回の授業前の休み時間に理科係が班ごとに配布、というシステムをきちんと徹底しようと考えている。
 
 次に、書く内容については「今日の学びを振り返ってみよう」という、割と緩いテーマ設定にすることにした。昨年度は「生徒をいかに変えるか=意識のベクトルをいかに生徒自身に向けさせるか」を意識するあまり、「今日の反省を踏まえ、次の時間に自分は何ができるか・何を変えるか」というテーマで書かせていた。しかし、このようなテーマ設定をしてしまうと、どうしてもできなかったことに着目させてしまうし、毎回同じような振り返りになってしまう。これこそ書く生徒側も読む教師側もしんどくなってしまった原因に他ならない。そこで今年度は、まず生徒の学びを受容・肯定することを念頭に置き、どんな内容であっても「うんうん!」「いいね!」「うれしい言葉!」などのコメントを書くようにしている。アドラー心理学における「勇気づけ」、ちょんせいこ先生のおっしゃるところの「『心の体力』を温めるエンパワメント」に徹するということだ。たくさん書いてくる生徒も、「楽しかった」「難しかった」など一言しか書かない生徒も、教師に対して要望を伝えてくる生徒も、まずは今の姿を受容・肯定される中で、徐々に主体変容のためのエネルギーが充電されていくのだと信じて続けていきたい。
 
 また、その程度のコメントしか返さないので、1クラスのコメント書きに要する時間は5~10分程度。これなら担当している5クラスを毎時間ごとにチェックしようと思っても、日常的に負担にならずに継続させることができそうだ。
 

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 とは言うものの、「お試し期間」の4月を終え、クラスも授業もいよいよ次のステージに進む時期を迎えている。この考え方を1年間貫き、実践し続けられるかどうかは、自分自身が主体変容できるかどうかにかかっている。