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花粉管はゼラチン溶液でも伸びるのか?

 とある生徒が「花粉管ってゼラチンでやっても伸びるんですか?」という疑問を口にしていたので、実際に実験を行った。

 

 砂糖水の濃度は寒天でやった場合と同じ6%。加えるゼラチンの量は、いつも寒天で作る場合は一般的なゼリーよりも固めなので、箱に書かれている標準使用量よりも1.5倍程度多めに加えた。

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 寒天溶液は常温で固まるのに対し、ゼラチン溶液は冷蔵庫で冷やさないと固まらない。この手間暇の部分だけを比べても、寒天の方がはるかに実用性が高い。

 スライドガラスの上にゼラチン溶液を薄く塗布し、ラップをして冷蔵庫で冷やした。数時間後冷蔵庫から出し、ブライダルベールとムラサキツユクサの花粉を散布し、顕微鏡で観察した。

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 まずはブライダルベール。

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 花粉管が伸びる気配は全くない。次にムラサキツユクサ

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 楕円形をした花粉の両端から花粉管らしきものが伸びかけてはいるが、これ以上は変化がなかった。

 これらの結果から、ゼラチン溶液上では花粉管は伸長しないことがわかった。しかし、後日Wikipedhia「花粉管」の項目を見てみると、

花粉を寒天やゼラチンなどの人工培地上で発芽させることが可能である。

と記述されている。ということは、何か条件に不備があったのだろうか。考えられるとすれば、冷蔵庫の中で固める際にゼラチン溶液の表面が乾いてしまったのかも知れない。しかし、あらゆる面で寒天の方が使いやすいので、ゼラチンを使うことはないだろうが。