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むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに

異学年『学び合い』の可能性を見た

 2学期途中から、担当している1年生と3年生共に、小単元丸ごとの『学び合い』に移行している。3年生は受験の足音が近付くにつれて学びへの意識が高まっている一方で、1年生はいまいち停滞気味。学びに向かおうとする空気の希薄さを感じ、当然なかなか結果にもつながらない。中1の後半というのは何かと難しい時期…と言ってしまえばそれまでだが、何とかカンフル剤を打ちたいと思い、3年生の授業の様子を動画で撮影し、1年生に見せることにした。

 まず3年生に事情を説明し、「という訳で1年生が『自分たちも頑張らなきゃ!』と思うような、さすが3年生!という姿を見せて欲しい」と発破をかけた後に動画を撮影。その後、その動画を1年生の授業で紹介したところ、初めて見る他クラスの『学び合い』の様子に興味津々で食い入るように見つめていた。その後感想を書く時間を設け、クラス全体で共有した。 

  •  「はい、どうぞ」の直後、ほとんどの人が席を立って動いていた

  • 男女関係なく教え合っていた
  • ホワイトボードや黒板など、いろいろなものを使っていた
  • 無駄話をしている人がいなかった
  • 一人も見捨てていなかった

こういった感想と共に、「真似しようと思った」「自分たちでもできると思った」といった自分たちと重ね合わせた感想も紹介した。そして、その後の授業では、前回までの授業とは明らかに違う、活き活きと学ぶ姿が見られた。授業の最後には、「最初は『外見』だけかもしれないが、まず外見から入って最終的には『中身』まで3年生に追いつくことを期待しています」と締めくくった。

 

 せっかくの感想なので、次は3年生の授業でも1年生の書いた感想を紹介したところ、生徒から「褒めすぎ!」という反応が返ってきた。「確かに、動画では授業の様子の良い部分しか伝わらないから…君たち同様、私だってこのクラスの『学び合い』が完璧!とは思っていない。でも、実際1年生は君たちの様子から何かを感じて頑張ろうと思ったのだから、成果はあったし、それはこのクラスのお陰です。この1年生の書いてくれた感想通りのクラスを目指しましょう」と伝えた。

 

 これまで異学年にまたがるような合同『学び合い』は、(場所的な制約などもあって)自分には縁がないものだと思っていたが、こうして間接的にお互いの学ぶ様子を伝え合うだけでも、大きな効果があるのだということに気付かされた。近い将来、1・3年生合同授業に挑戦してみようと思う。